白うさぎの読書ブログ

読書好きが個人的に面白いと思った本や学び、社会への疑問などについてのんびりと書いている雑記帳です

大人の住む世界 子供の住む世界

今、教育現場には、多くの予算が投入されています。

コロナなどの対策のため、空気清浄機が各教室に置かれ、デジタル化が進むことで授業に使う大型の画面のテレビなどを各教室に置いたり、タブレットが一人1台貸与されたり、英語の授業が始まったり。エアコンも完備されつつあり、新しく建て替えられた学校などでは、車いすでも上の階に上がれるようにエレベーターがついている校舎もあったりして、行政は、学びやすい、清潔できれいな環境を整えようとしています。

まだ途中のところもたくさんあるでしょうけれど、そういう方向性なんだな、と感じます。

 

今の子はいいなあ・・と思ったりするものの、

正直未来へのやる気に満ちた子供たちが、ネットなど情報化社会で海外ともつながれる子供たちが、ITや英語などが当たり前になっている子供たちが、出ていく先にある社会での仕事は、会社は、組織は、

子供たちのやる気や、未来を受け止めるだけのキャパシティのあるものなのか疑問です。

 

もうずっと前のことですが、大学を卒業するまでに、留学して英語を学び、当時は必須になりつつあったPCなどの資格もいくつか取り、FPや簿記などの勉強もし、頑張ろう、と思って新卒で入社した私に最初に教えられたスキルは、かな文字入力での一本指打法でした。

 

そして店頭の入口近くで「いらっしゃいませ」を言うだけ、といった期間が3か月ありました。

 

同期の子(男性)は、先輩の後ろに座って、マニュアルを読むだけ、といった状態がほぼ半年続き、うつ病のようになり、休職してしまいました。

 

結局、バブル崩壊以降、その業界は斜陽産業となっていたのですが、学生だった私はそういったことを知らず、また周りの大人たち(親や祖父母の年齢の人たち)には、いいところに入った、と言われ、辞められる雰囲気ではなく、

 

そして何よりも、斜陽産業であまり夢ももてず、それでも知識だけは身に着け、そこで役に立てるレベルにはなりたいと粘り、いろいろな経験を積ませていただきましたが、

その斜陽産業の会社のことを、周りの取引先の人が、「天下の○○会社さん」と呼んだことで、その地域の規模というか、状況が分かり、絶望的な気持ちになりました。

 

東京一極集中が問題と言われていますが、地方だととくに、そういった状態の会社はとても多く、今需要が多いITの分野などに行こうとするなら、絶対に東京に出るべきだろうな、と思えます。

 

もし地元が地方で、大学を出てかつ地元に残りたいなら、公務員系(教師含め)、医者や薬剤師など国家資格系、インフラ系(電力、通信、金融など)以外の就職先は、ほぼないのではないでしょうか。

 

他の民間だと、地元高校からの推薦枠で入社が決まる高卒枠のみのことが地方では多いからです。

 

頑張って学んで、頑張ろうと思って入った会社で、見たくないものを見る。

何十年も会社を引っ張ってきた先輩たちが、リストラ要員になっていたり、女性がずっと平社員で働いていたり、今は結婚出産しても働いている女性が大半になっているけど、助けがないとかなりきついとか、転勤の多い業界で働く夫をもつ妻は、今でも専業主婦率が高いとか、30代くらいのパフォーマンスで回る仕事を、40代も50代もやらなければならないことがあるとか、なら30代でいいよね、ってなるけど、出世して一段も二段も上に上がっていって、パフォーマーを抜けていった人たちはまだいいけど、平のままだとずっとそれやるしかない、とか、

流動性がないのは解雇規制ががっちりあるからだけど、でも「依願退職」なら違反じゃないから、企業は人を減らしたいとき閑職っぽいところに移動させるとか、遠くにとばすとか、嫌がらせをして依願退職に追い込むようなことをする時があるとか、

サービス関連の会社などでよくあるのが、非正規が正規社員と同じ仕事をして同じ時間働いて給与がすごく低くボーナスもないとか、

非正規フルタイムが一番不公平感があるとか、

結構今でも男尊女卑はあって、女性はよくよく職業を選ばなくてはしんどいことがあるとか、いろいろ。

 

こういう「あるよね!」っていうことは、子供たちに言いたくないですよね。

教育現場だけはきれいな夢が語れるし、学ぶ子供たちに夢を託せる。

夢がそのまま実現できたらいいけど、

そうじゃない会社や組織はきっとこれからも残り、そこに就職していくこともありますね。

 

幸せや経済力は、誰かが与えてくれるものではなく、学び、取りに行くもので、

自分の身を守り、自分なりの幸せで生きていくためには、

やっぱり勉強するしかないんじゃないかと思います。(学校の勉強も、社会や経済についてなどの正しい知識も、健康に関する知識も、暮らし方も)

 

自分に合った方向で、幸せに暮らしている大人は沢山おられますね。

でも、それがたまたまだったのか、いっぱい勉強し、選び取ったものなのかはそれぞれです。

 

生きていくためには本当に生きる力がいるように思います。

 

自分の方向性を見定めたり、おかれた場所で、小さな生きがいや幸せを積み重ねて生きていける人もいれば、どうしても合わない場所で苦しんでいる人もいます。

 

自分を守れるように、自分なりに幸せに生きられるように、頑張るべきときに踏ん張れるように、辛い時、頼るべき人に頼れるように、

 

もっと若いうちに、現実的なことも、もっと学べる世の中になればいいのになと思います。

 

 

お読みいただきありがとうございました^^