生きる意味、とか
働く意味、とか
困ったときどうするか、とか
自分でやらなくてはいけないことは何か、とか
ようは本質はなんなのか、とか。理解すべきことは何なのか、とか。
大人でも分かっていない人はたくさんいて、
でもやらなくてはいけない、こうでなくてはいけない、と思っていることは多くて、
それゆえに日常は進んでいくけど、
忙しさゆえにあまり深く考えている暇はなくて、
だからこそ世間でいう「こうあるべき」を追いかけ、そうでない人達を見下し、
自分はまともだと安心する。
そんな風に、生きていた頃がありました。
今振り返ってみると、子供の頃から、すごくすごく忙しかった。
毎日すべきことに追われ、
学校、部活、塾、習い事、予習、復習、朝学、朝練、補修
毎日分刻みで、土日も部活の遠征。少し休みがあっても、予定がないなんて友達のいない寂しい人だと思われるから予定いれないと、みたいな。
すごく充実しているように見えるけど、すごく疲れていました。
常にいっぱいいっぱい頑張って、
頑張って・・・受験、就活、就職、下積み、転勤、結婚、家事、そしてまた仕事・・・あれ、いつゆっくりできるんだろう、頑張ったら、楽になるはずなのに、つかみ取ったものを維持するためにずっと頑張り続けないといけないんだ・・そう思ったら、なんだかすごく辛くなりました。そして、休みの日の過ごし方が、わからなくなっていました。
子供時代の、学校とか塾とか、習い事とか、受験とか、友人、上下関係とかみたいに、
大人になっても仕事、人間関係、家事、育児、介護、みたいに、やるべきことが増えていく。
でも、全速力で走っていたあの頃、
ずっとずっと増やしていったら、いつかパンクするんじゃないかな・・と
うすうす思うようになっていました。
もともと0か100かみたいな頑張り方をしていた私は、社会にでて、数年たった頃から、ずっとそういう不安を抱えながら走り続けていました。
今の頑張り方は、もしかしたら間違ったやり方で、
時間や体力、精神力の割り振りを、もっと割り切って考えるべきだと思っていたけど、
世間的にはそちらが正解っぽく見えて、休むことや、何かを手放すことは、失敗のように思えて。
今、断捨離的な価値観や、ミニマリストなどの生き方がブームになってたりするけど、
増やして増やして、増やし続けると、パンクするよ。ってことに、
人は気づき始めた。
もしくは、今までも思ってたけど、増やすのが王道だったから、
減らそうなんて言いたくても言えなかったのかもしれない。
必要だと思ったときに、それをつかみ取れる軽さがほしい。
大切だと思った人のために、今もっているものの取捨選択がしたい。
本当に大切なものと、そうでもないものを知りたい。
そう思ってる人はきっと多い気がする。
だけど、日本では、一生懸命つかみ取ってきたものを一度手放すと、二度と手に入らないことが多い。
もしかするとこれが、日本の少子高齢化を後押ししているのでは・・・?
大人ですら、何が大切なのか、わからず不安な人が多いのに、
子供に夢をみなさいみたいなことは言えないですよね。
社会構造はすぐには変わらないけれど、
積み木を積み重ねていくように、物やすべきこと、役割を増やしていくと、
どこかがぐらついたら一気にその積み木の塔はくずれるかもしれない。
大人は、様々な現実を知っています。
理想だけでは生きられないことも。表面は綺麗だけど、実はそうでない部分が社会にあることも。
ではどうするのか、どうしたらいいのか。困ったとき、しんどい時、迷った時にどうしたらいいのか。自分の頭で考え、学ぶにはどうしたらいいのか。希望を持つには、幸せとは何なのか。
もし、大人がそれを分かっていなかったら、
大人がずっと苦しんでいたら、学んでいなかったら、
いわゆるこどもたちや若者たちは、どこに助けを求めるのでしょう。
次の世代の人たちに、人としてこう生きたい、という思いが芽生えた時、
その手段を、選択肢を教えられる大人がたくさんいたらいいな・・
すごいことができなくても、困ったとき、苦しいときにどうしたらいいか、どう乗り切るのか、どこに相談したらいいのか、こどもに伝えられる大人が。
勉強の仕方や、ピアノの弾き方、スポーツのルール、受験、就活。
そういったことは、なんとなくどこかで誰かに学べるけど、
困ったとき、苦しい時、誰に助けを求めたらいいのか、教えてくれる人はあまりいない。
親や教師や友達に話せたらいいけど、
それで解決できたらいいけど、
そうできないときはどうしたらいいのか。
心が限界になったらどうしたらいいのか。
いろんなことを、一人で抱え込んで、苦しむ大人も、多いのではないかな・・と私は思っています。かつての私のように。
こどもの心の安定のためには、大人の力が必要だけど、
その大人が苦しんでいたら、
こどもはどこに助けを求めるのでしょう。
そして、その大人は、誰が助けてくれるのでしょう。
お読みいただきありがとうございました^^