白うさぎの読書ブログ

読書好きが個人的に面白いと思った本や学び、社会への疑問などについてのんびりと書いている雑記帳です

楽しみ方を知る

もがいていたあの頃は、「休みの日」というのは本当は体や心を休めなくてはならないのに、「家族や友人と●●に行った」とか、「こんな勉強をした」とか「こんな習い事をした」とか、人に有意義な過ごし方だと思ってもらえることをしないといけない、と思っていたところがありました。

 

「お休みの日なにしてるのー?」

こんな無邪気な質問が、密かに恐怖でした(笑)

 

朝早くから、夜まで一週間働いて、疲れているのに土日に遠出したり、家にいたいなぁと思いながら、友達を誘ってランチに行ったり。

 

少し過労気味で入院してしまったとき、「体を休めてください」と言われたのですが、休めるってどうしたらいいのかな・・寝てたらいいのかな・・でも家事とかあるから忙しいし、外に出たほうが気晴らしになるし・・と、家での過ごし方がよくわからず、戸惑いました。人の眼に、自分の生活がどう映るか、そんなことばかり考えていたのです。

 

本当は、全部投げ出したいほど疲れていたのに。

 

生き方を変えたいと思ってから、たくさんの本を読みました。

自分の作る食事が、自分と家族の体と心を作っていると自覚してからは、素材もできるだけきちんと選び、地元の旬のものを食べるようになりました。

ある程度作り置きして負担を減らしたり、調味料にはすこしお金をかけたり。

 

服なども、今まで知らなかったのですが、ロスが問題になっていると知って、手入れできる量を大切に着て、使い終わったらリサイクルしたり、最後は切って雑巾として使うようになりました。

 

食品ロスが問題になっていると知り、せめて家庭ではロスをださないよう、使いきれる量を買い、食べきるように気を付けるようになりました。フードポストの存在を意識したのもこのころです。

 

一見大変になったようで、なんだか自分の求めている生き方を探しているようで、日々のささいな生活の一部が楽しくなってきました。

 

「自分の意思で、こう生活している」と思えるようになったからなのか、生活を自分なりにコントロールしようとする過程が楽しく、日々の楽しみは、すぐ目の前にあったのに、それを「雑用」のように思っていたから、楽しめなかったんだなと思えました。

 

そして、もっともっと若い頃に、まだ少し子供の部分が残る頃に、日々を楽しく暮らす楽しみをもっと知っていれば、お金やモノや人生を考える力がもっとあれば、大切にすべき人と価値観を知っていれば、失わなくてもよかったものが、きっとたくさんあったような気がしています。

 

時々ユーチューブで、生活系の動画を観たりするのですが、若くても、日々のことを大切にこなしている人たちがたくさんいて、本当に素敵だなと思います。

自分が社会に出たばかりの頃も、すでに経済は停滞していて、きっと丁寧にシンプルに生きるべき時代だったのかもしれないけれど、競争も激しく、押し流されないために必死で、自分の生活や心身の健康なんて後回しにしていました。

 

あの必死な時期があったから今がある、と思いたいけれど。

 

でも、あの頃もう少し自分に余裕があれば、周りの人たちをもっと思いやれたし、もっと学べたような気がしています。

 

 

 

休みの日は、「休む日に」

休み方は人それぞれですが、私は、自分の心と体を大切にし、自分のそばにいてくれる人を大切にする過ごし方をすることに決めました。

少しでも、自分と向き合い自分を大切にする時間をとることで、結局は周りを幸せにできるかもしれないと、今はそんなふうに思っています。

 

休みの日に、少しだけ。自分のために。

いろんな生き方があるのだな・・・素敵な生活だなぁと憧れた人の本を、今回はご紹介したいと思います。

 

「生きていることを楽しんで ターシャの言葉」

       ターシャ・テューダー KADOKAWA

 

世界中のガーデナーが憧れ、スローライフの元祖といわれているターシャの生き方を紹介した本のなかの一つです。日常の喧騒を離れたくなったときにときどき読んでいました。「楽しみは創り出せるものよ」も大好きです^^

 

「あしたも、こはるびより。」

「ひでこさんのたからもの」

「きのう、きょう、あした。」

  つばた英子 つばたしゅういち 主婦と生活社

 

最初にこのお二人を紹介する本が創刊されたとき、お二人は83歳と86歳でいらっしゃいました。ご夫婦で定年後に、畑を耕し、自分で作れるものはつくり、自然の中でご夫婦寄り添って生きておられる姿がとてもいとおしく、元気をもらいました。

 

何冊か出されたあと、しゅういちさんがお亡くなりになり、その後英子さんおひとりの生活が始まります。落ち込んですべてがなおざりになる時期を乗り越え、自分にできる範囲の家事や畑仕事をし、前向きに生きようとする姿を書いてあるのが「きのう、きょう、あした」です。涙が出そうになるとともに、当時89歳でこんなに頑張っておられるのだから、私なんてまだまだだ・・という気持ちになりました。

英子さんは、しゅういちさんがお亡くなりなってから3年後に、お亡くなりになったようです。私はお二人の本がとても好きでしたので、とても寂しいです。これからも時々本を手に取り元気をいただこうと思っています。

 

お読みいただきありがとうございました^^