本屋さんのない街が、全国で増えているのだそうです。
ネットで簡単に本が読める時代。
そして、クリック一つで、新刊も、過去本も、なんなら絶版本も、簡単に手に入ったりする時代に、実店舗を構え、実物を置いている本屋を維持していくことは、
きっと並大抵の苦労ではないのでしょう。
だけど、私は書店が好きです。
なくなってほしくないな、と思います。
書店には独特のにおいがあったりして、
あの紙のにおいや、いろんなジャンルの本の並んだ棚や、思いがけない書籍との出会いや、書店員さんのおすすめ本のコーナーなど、
私にとってはとてもくつろげる空間だからです。
選ぶ時間がなくなる時代
AIが、これ、あなたにおすすめかもしれませんよ、と提案してくれる時代
そんな時代に、
一見効率の悪く、儲けも少なく、経費のかかることをすることは、やはり無理なのかもしれませんね。
だけど、
経済的な成功、だけでなくて、生きていくのに絶対に不可欠ではないものに、お金をかけられる余裕が、その街を豊かにするように私には思えています。
衣食住が満たされなければ、生きることがとても苦しい。
だから最低限のお金は大切。
そこが基本で、もしそこだけを求めてぎりぎりで生きるしかない街ならば、
その街が貧しいということ。
お金をあまりかけずにでも、文化的なこと、芸術的なこと、哲学的なことや思想、なんでもいいけれど、何か余分なことができる楽しさ。
そういった余裕が街から消えると、
生きるために生きるだけの街になる。
朝日が、夕日が、とても綺麗。
自然が豊かできれい。
近所のパン屋さんのパンを焼くにおいが好き。
市営の図書館がとても落ち着く。
夜や休みに本を開く、その瞬間が好き。
なんでもいいけれど、
何かを楽しいと感じる余裕のある、絵や、音楽や、本を読んだりすることが、
心の栄養になるような、
そういう少しのゆとりのある生き方をしたい。金銭的な意味ではなく。
きっと、そういう生きていくのには直接不可欠ではない部分を、
情景とか、人の心とか、そういったものを感じるには、
ある程度のこころのゆとりが必要だと思うから。
私にとって、街に本屋さんがあることは、その街のゆとりの象徴に思えるのです。
月に数回、そこへ向かうわくわくが、一時自分を支えてくれる。
なんか小さなわくわくだけど、
経済のみ優先するような、そこだけを見る生き方は、
空を綺麗だとか、水が綺麗だとか、ささいな幸福を見逃すような気がするから。
もしまた引っ越すことになっても、
本屋さんのある街に住みたいな・・
お読みいただきありがとうございました^^