白うさぎの読書ブログ

読書好きが個人的に面白いと思った本や学び、社会への疑問などについてのんびりと書いている雑記帳です

過去の偉人たちを観光に使う現代人

都心部では、その街自体に活気があり、人口も多く、きれいな都会にあるものを楽しめる、といった観光目的の人も多いでしょうけど、

 

田舎は、過去の偉人に頼った観光の名所(と言われているところ)が多いように思います。

その街独自の魅力、とかではなく、「過去に○○が住んでいた町」とか「昔○○が生まれた地」とか、「大昔のお殿様が参勤交代で通った町」とか。

 

こういうのを見るたびに、数百年後、今生きている誰かが生まれた場所が、昔あの人が生まれた町、とか言われたり、○○記念館とかにその人のしてきたことが飾られたりするのかなぁ・・・と考えたりしてしまいます。

 

 

そして、この観光のやり方で、私が個人的にあまり好きではないというか、一つ、嫌いなことがあるのです。

 

それは、偉人と呼ばれるその人が生きている間はめちゃくちゃ不遇で、差別されたり、さげすまれたりして、苦労していて、周りもその人を認めていなかったけど、

 

死んだあとかなりたって、なぜか脚光を浴びるようになり、その街の観光の名物みたいな扱いになったりすること。

 

ある詩人の人生を描いたドラマを見て、

なんてつらい人生なんだと悲しくなり、でも今その人の作品を県をあげてPRに使い、

「○○県の詩人」とか言って持ち上げ、詩集などをお土産で売っているのを見て、

生きている間にもうちょっとましな扱いできなかったのかなぁ^^;と思ったり。

 

当時、人と少し変わったことをする人を、おかしいとか変だとか決めつけ、その作品を見ることもなく、死んだあと、何年もたって、これは優れている、と認める。

生きているうちにかわったことしてるその人を認めることはなんか嫌だし癪だけど、

もう死んでいるなら冷静に作品だけを見ることができるから、とかでしょうか?

貧しい時代だったから、お金になること以外をやることはやっぱりだめなことだったのでしょうか。

 

そしてつらい人生をおくり、辛い亡くなり方をしているのに、そこを○○のふるさと、とか言って売り出す。

○○生誕の地、○県へようこそ! みたいな・・・^^;

 

今の観光のあり方、特に地方の観光は、本当にそういった過去の遺物によって成り立っています。

今生きている人が、いろいろ頑張って、新しい風を吹かそうと思っても、

上にいるお年を召した方たちの好む観光は、そういったお殿様とか偉人と呼ばれる人の記念館をつくったり、そのゆかりの地の道路を整備したりとかで、

結局、今を生きる人を認めない文化なのかな・・と思えたり。

 

 

その街の住民が、ほんとにその街に住んで楽しいとか、住みやすいとか、子供を育てやすいとか、いろんな人が活躍できる仕事がたくさんあるとかそれを作るのを後押ししているとか、もっと今生きている人にフォーカスした街の盛り上げ方があるのではないかなぁ・・と、けっこう前から思ってきたのですが、なんかすぐ○○記念館とか○○の里、みたいな箱ものできたりするのですよね^^;そして入場者はおらず税金で運営・・・

その街に住む人を見て街をつくるほうが、結果的に住む人は増え、使えるお金が増え、街が発展することで、そこに訪れる人も増えるのではないのかなぁ・・

 

個人的に、そんな風に思ったりしています。

 

 

お読みいただきありがとうございました^^