皆様は、子供の頃、夏休みってすごく長いと思いませんでしたか?
私は小学生くらいの頃は、1年間がすごく長く感じて、1学年上がっただけですごくお姉さんになったような、そんなくすぐったい気持ちがしていました。
目の前が無限に広がっているように感じ、これから冒険が始まる!といった、よくわからない期待感にあふれていました。
大人になった今は、1か月があっという間に過ぎ、1年もいつの間にか過ぎて、年齢よりも置かれている立場で人と接するようになりました。年下の上司とかね^^;
あっという間に時間が過ぎていき、うかうかしているとぼーっとしている間に年老いて人生が終わってしまうので、今、この時を大切に生きねば!と日々自分に言い聞かせていたりします^^
この時間の感じ方のずれって、人によって、そして年齢によって結構あるように思います。何を大切にすべき時なのか、今誰を優先すべき時なのか、いつまでそれが許されるのか、いつまでその人がいてくれるのか、忙しさにかまけてよく考えずに、
いつか暇ができたら、いつかまた会うことがあったら・・・
今は仕事で忙しいから落ち着いてから・・・
そう思って、「いつか」が来ないときもあるということを、「いつかまた会う」ということが不可能になってしまうこともあるということを実感したのは、ずいぶんと大人になってからのことでした。
子供が親を必要とする時間は意外と短く、
友達とふざけあったりできる時間も、意外と短く、
利害関係抜きで友達になれる時期というのも意外と短く、
無知であることや、内面の幼稚さを許してもらえる時期も、意外と短い。
祖父母と過ごせる時間も
両親と会える時間も
夫婦で過ごす時間も
もしかしたら意外に短いのかもしれません。
限られた人生時間のなかで出会った人たちを、ただの通りすがりにするのではなく、もっと話をしてみたらよかったな、と思うことが最近あります。
人生のほんの一時、一緒に過ごしただけでも、それがすごく心に残っていたりして、時々ふと思い出す人たちがいるからです。
今回ご紹介するのは、コミックです^^
人間とは違う時の流れを生きる主人公が、人間を知ろうとするファンタジーなのですが、設定がちょっと独特です。
これ、面白いよ、と人に勧められて読み始めたのですが、
大人が読んでも、なんだかじわじわと温かい気持ちになれる部分があったりして、
面白かったです^^
「葬送のフリーレン」
山田 鐘人 アベツカサ 少年サンデーコミックス
物語は、冒険の終わりから始まります。10年にも及ぶ冒険の末に魔王を倒し凱旋した勇者一行の、その後を描く物語です。
「僕たちの冒険はこれで終わりだ」
様々な種族で構成された勇者一行は、そこからそれぞれの道を進み、人間のメンバーたちは天寿を全うして亡くなったりします。
長命のエルフであるフリーレンは、人間であるかつての仲間たちを次々と見送ることになります。
人間にとって10年はとても長いけれど、エルフの主人公にとっては瞬きするほど一瞬で、たった10年、と思っていたけれど、
それでもその10年がとても楽しかったと、みんなで旅ができてよかったと言い残し先に逝ってしまった仲間たちを見て、もっと人を知ろうと決意し、勇者一行の偉業が忘れ去られつつある世界を、その面影を追いかけながら旅をすることとなります。
派手さはなく、緩やかな、穏やかな旅のお話ですが、
これは大人が読むと、なんだか人生の青春時代(学生の頃とか、会社で全盛期だった頃とかいろいろでしょうけれど)が終わって、その後を生きる人の物語のように思え、
とても面白いけれど、どこかせつない
けれどそこがいいな・・と感じました^^
日常の息抜きに、物語の中で主人公と旅に出るのはいかがでしょうか?
お読みいただきありがとうございました^^