「禍福は糾える縄の如し」「塞翁が馬」
子供の頃父から教わったこの言葉を、時々思い出します。中国の故事にある言葉ですね。
この言葉を実感する、というよりも、そういうものなんだ、と自分に言い聞かせて、ここまで生きてきた、といったほうが正しいかも。
いいことも、悪いことも、生きてきた分だけそこそこあって、それこそなんでこんな辛い世の中に生まれてきてしまったんだ、と思ったことも。
今はいい感じにいっているけど、いつまでも続かないからどうしたらいいんだろ、とか不安になったりすることも多いです。
今ここに持っているものも永遠じゃないしな、とか。
そんな後ろ向きでうじうじしてしまった時に、なんとなく思い出すのです。
縄のように上になったり下になったりして人生はできてるのだから、きっと次は上がくる、とか、悪い出来事がいいことにつながることもある、とか。
子供の頃の記憶ってすごいですね。
今思うと、そう言ってくれていた父も、同じように自分に言い聞かせて生きていた時もあったのかも。
生きていると、辛いこともあるけれど、時に、本当に光輝くような宝物のような気持ちを味わうこともあったり、辛いときに支えになってくれる人や言葉に出会えたりして、面白いものだな、と最近は思えます。
以前、仲良くしてくれていた人が、まだ20代だったのにある朝突然心不全で亡くなり、気持ちの整理がつかなくて呆然としたことがあります。
すごく長く続くかもしれないけど、突然終わるかもしれない人生を、できるだけ楽しんで、できるだけ自分の大切な人やことを、大事にする生き方をしたいと、今はそう思います。
今自分が手にしているものは、それがどんなものであっても、永遠ではないのだと思います。そう考えるととても恐ろしいけれど、今自分のそばにあるものを大切にして、今に集中して生きたいです。
生きていくのに、自分にとって必要な言葉って、私にはいくつかあって。
それはだいたい、きついときに思い出すのです。
私が本が好きなのは、その中に、キラッと自分の生きる糧になる言葉が見つかるからかもしれません。
お読みいただきありがとうございました^^