白うさぎの読書ブログ

読書好きが個人的に面白いと思った本や学び、社会への疑問などについてのんびりと書いている雑記帳です

社会を知ること

「若い人達が選挙にあまり行かない」というニュースを何度か見ました。

そのためにCMを打ったり、若手の有名人を使ってが選挙に行こう、と呼び掛けたり。

 

政治や経済は、若者にとって身近な話題ではなく、遠い誰かがやっていることで、自分にはあまり関係ない、自分が1票入れても何も意味はない。何も変わらない。

そう感じているのかもしれません。

 

でもそれを責める気にはなれません。私も20代の頃は生きるのに精いっぱいで、自分の仕事のこと、人生のこと、生活にかかるお金のことで、期待と失望と不安とで心がいっぱいだったので。

疲れていて、休みたいのに、せっかく眠れて、家事などができて、息抜きができる日曜日に、わざわざ選挙会場まで行き、普段は仕事と家の往復で、その人の政治理念も何も知らないのに、なぜ知らない誰かに1票入れないといけないのか。しかも私は当時転勤の多い仕事で、その町のこともまだよく知らず、知らないどこかの発展、自分の知らない、かつ特定の層の幸せを守る政策についてよく理解できず、その街の政治家が変わっても、会社単位でも変わることがすごく難しいのに、市とか県とか国単位で、劇的にいいほうに何かが変わるとは思えない。そういった感じでした。

 

いろいろとボロボロだったけど走り抜けた若い時代を抜け、ある程度年を重ね、経験を積み、生きるめどがたった頃、今現在のことや過去を振り返ったりして、政治のあり方がとても気になるようになりました。

 

税金のことや、政策のこと、そして福祉やセーフティネットのこと。疑問に思うことは沢山あり、皆が暮らしやすい国をつくるには、政治経済を学び皆が参加することが大切なのではと考えるようになりました。

 

今の教育では、政治経済は、教科書で少し触れるだけで、あくまで勉強の一つでありあまり実感のないものではないでしょうか。

誰かに教わるか、もしくは自分で積極的に学ばなければ、それについて深い知識は得られず、経験値だけでカバーしようとすると、若いうちは経験値が少ないですから、当然自分の興味ある分野や、自分に関係することしか見えないでしょう。

 

「若者の政治離れ」ではなく、もともと若い人達が政治に参加しにくい社会構造になっているのではないかと感じます。

 

比較的時間のある、退職後を過ごしている世代くらいの方々が、一番選挙に行きやすく、情報も得られるのではないかと個人的には思います。

 

 

政治や経済のあり方を、いつ、どこで、どうやって知ればいいのか。

俯瞰で見るにはどうしたらいいのか。

 

学ぼうと思わなければ、人に与えられた人生を送ることになります。

見ようと思わなければ、見えないことが、世の中にはたくさんあります。

知ることで、ものすごい痛みを伴うかもしれないけれど、

社会のしくみを知ることで、不安は減らせ、沸いた怒りのエネルギーで、微々たるものでも、変化をもたらすことができると、私は思っているのです。

 

社会のしくみの一部について書かれた本を、今回はご紹介したいと思います。

読んでいて辛くなる内容もあったのですが、痛みを力に変えていきたいです。

 

「女性のいない民主主義」 前田 健太郎 岩波新書

 

社会に出るまでは、男性と女性の間の格差はないように見えていました。

普通に、同じようにいきていけるのだと疑いもなく信じ、頑張っていました。

でも、体の違いや、生き方の多様性、そしてなによりも社会のしくみによって、同じようには選択できないと知りました。 社会の構造を決めているのは、やはり政治だと、男性も女性も幸せに生きるためには、やはり多様性が必要なのではないのかな・・と感じた時に手に取った本です。

政治学者の方が、何が女性を政治から締め出してきたのか、そもそも女性が極端にすくない日本の政治は民主主義と呼べるのかなど、政治学観点から書かれています。

 

 

「日本の食は安すぎる」 山本 謙治 講談社+α新書

 

今から14年前の2008年に出された本です。かなり前の本なので、参考にはならないかな・・とも思いながら手に取ったのですが、読んでよかったと思いました。

消費者を強者と位置付けて書かれている内容に、とても納得できました。

弱いほうに、弱いほうにしわ寄せがいく、食に関する経済の構造が見えました。

14年経った今、それがどのくらい変わったのか、いいほうに変わっているのか、とてもとても気になります。

 

 

また次回からも、本を紹介していきたいと思います^^

お読みいただきありがとうございました^^