「風の谷のナウシカ」この映画を知らない人はいるのでしょうか?
少し古い映画なので、今の子供たちで知らない人はいるかもしれませんね。
ですが、大人世代の方たちは、おそらく子供の頃に、または自分の子供と一緒にご覧になったことがあるのではないでしょうか^^
この物語は、もとはアニメーション監督、演出家でもある宮崎駿が1982年に誌上で発表したSF・ファンタジー漫画でした。映画の舞台は風の谷。そこは人口わずか500人。海からの風によってかろうじて腐海の汚染から守られている土地。谷や腐海の中をメーヴェに乗って華麗に飛び回るナウシカの姿から始まります。
今回おすすめするのは、このナウシカの原作です。
映画よりもはるかに長く、深いお話です。7巻の構成ですが、映画は1巻の、ほんの始めのあたりのエピソードなのです。
腐海はなぜ生まれたのか、なぜ人口が500人しかいないのか、そして物語のテーマは何なのか。原作を読むと、あの当時にかなり深いテーマで書かれたのだとわかります。
本の見開きの部分にはこう書かれています。
「ユーラシア大陸の西のはずれに発生した産業文明は、数百年のうちに全世界に広まり、巨大産業社会を形成するに至った。
大地の富を奪い取り大気を汚し、生命体をも意のままに作り変える巨大産業文明は、1000年後に絶頂期に達しやがて急激な衰退をむかえることになった。
「火の7日間」と呼ばれる戦争によって、都市群は有毒物質をまき散らして崩壊し、複雑高度化した技術体系は失われ、地表のほとんどは不毛の地と化したのである。その後産業文明は再建されることなく、永いたそがれの時代を人類は生きることになった。」
「風の谷のナウシカ」は、この黄昏の時代、大戦争により生き物が死に絶えた世界でわずかに生き残った人々やその子孫が、腐海の毒がかろうじて届かない土地をさがして定住し生きていく、さまざまな答えを見つけていく物語です。その土地の一つが「風の谷」。そして人々はまた、生き残った部族間で土地や力そして復讐のために戦争を繰り広げてしまうのです。
映画のイメージが変わってしまうほどの深い物語です。
ぜひ一読を^^