すごく面白い本を読み終わったとき、作品にして出せるレベルで物語を考えたりできる人ってすごいなぁ・・といつも思うわけです。
数を読めば読むほど、その思いが強まるというか、やっぱりお金を人様に払ってもらえるレベルのものを生み出す人はプロなのであって、自分はいろいろなプロの人の仕事で楽しませてもらっているのだな・・と感じるこの頃です。
さて、今回ご紹介するのは現代ものです。
知識や情報量の多さに驚いたのと、会社勤めの方が書かれているのもあって、フィクションではあるものの、妙なリアリティーに手に汗を握って一気読みしてしまいました。
2014年に出されていて、「このミステリーがすごい」の11回大賞をとった作品なのでご存知の方もおられるかと思いますが・・ こちらです。
北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地との連絡が途絶え、石油戦略上の重要拠点であることから、テロの恐れがあるとみなされ自衛隊に確認要請がはいります。
到着した隊員たちを待っていたのは、職員全員の無残な死体。その状態から、感染症の発生が疑われ感染症学者が呼ばれますが・・・
出世、権力、リーダーシップ、上司と部下、父の娘への愛情などいろいろな要素があり、私は読んで心がぎゅっと締め付けられました。そして最後の謎解き。そうくるのか!と誰もが思うはず・・
人によって感じ方は違うと思いますが、なにか心に余韻の残る、そんなミステリー小説です。